令和3年(2021)6月定例県議会


<県議会リポート>


令和3年6月議会 一般質問

1.アスベスト対策について
2.受動喫煙について
3.まん延防止等重点措置について
4.HUAWEIについて
5.千葉県男女共同参画計画について
6.LGBTについて
7.教科書採択について
8.知事の靖國神社参拝について
9.その他

 

※PDFは「ちば自民党」のウェブサイトにリンクされています。

<インターネット中継>


中村みのる一般質問録画中継はこちらから



2021.06.29 : 令和3年6月定例会

 

 

◯中村 実君 船橋市選出、自由民主党の中村実でございます。まず、昨日、下校途中にお亡くなりになられました朝陽小学校の2人の児童の御冥福を衷心よりお祈りを申し上げます。そして、傷を負った3人の児童の回復を祈りながら、お見舞いを申し上げます。

 それでは、通告に従い質問に入ります。

 初めに、アスベスト対策について質問いたします。

 石綿、いわゆるアスベストについてでありますが、石綿を吸入すると、長い潜伏期間の後に、肺がんや中皮腫といった重篤な健康被害を起こすおそれがあることが知られています。昨年5月29日の改正大気汚染防止法成立を受け、昨年の6月議会において会派の議員が一般質問を行いました。質疑を聞きながら、本件におけるアスベストの問題がいかに重大であるかを改めて認識した次第でありました。改正大気汚染防止法が本年4月1日に施行され、3か月となります。この間、5月17日に最高裁判所は4件の建設アスベスト損害賠償請求訴訟にて判決を出しました。アスベストによる健康被害に苦しむ被害者の救済に資する重大な判断であり、国の規制権限不行使の責任について、そしてメーカーが負うべき責任の範囲、負うべき警告表示義務についても、これまでにない判断であると認識しておりました。

 法改正により、県が担うべき役割は一層重要と考えております。石綿は、過去に建築材料として多く使われておりますが、今後、既存建築物等の解体等工事の増加が見込まれることから、大気中への石綿飛散防止対策は極めて重要であると考えます。これまで大気汚染防止法では、建築物等の解体等工事に伴う石綿の飛散防止のための規制を行っており、具体的には、飛散性が高い吹きつけ石綿、いわゆるレベル1建材と、石綿を含有する断熱材、保温材、耐火被覆材、いわゆるレベル2建材に係る解体等工事について、県等への作業実施届出や作業基準の遵守が義務づけられています。大気汚染防止法の改正により、石綿含有建材の規制対象の拡大など、石綿の飛散防止対策が一層強化されました。

 そこで伺います。大気汚染防止法の改正によるアスベスト対策に係る規制強化の内容はどのようなものか。また、県ではどのような対応を取っているのか。

 次に、受動喫煙について伺います。

 健康増進法の全面施行により、令和2年4月1日から多数の者が利用する飲食店や事業所等の施設には、原則屋内禁煙が義務づけられました。この改正法により、施設の屋内で喫煙を可能とする場合は、法で規定された基準を満たした喫煙室を整備し、たばこの煙が流れ出ないようにしなければなりません。また、喫煙室を設置した場合には、施設を利用する方が望まない受動喫煙に遭わないよう、施設の出入口にも、喫煙室の出入口にも標識を掲示する必要があります。さらに、二十歳未満を立ち入らせないことや、従業員の受動喫煙を防止する対策を講じることとされています。この新しいルールは様々な場面で掲示物などにより周知されており、改正法の全面施行から1年3か月たった現在、受動喫煙による健康影響や施設での受動喫煙防止対策の必要性は広く認識され、事業者や県民の受動喫煙に対する意識は確実に変わりつつあると感じているところであります。

 しかしながら、ルールをまだ御存じではない方もおられることも事実でありまして、法律ではどのような規制になっているのかといった問合せや、飲食店や事業所での対策が不十分なため、受動喫煙に遭ったという通報が県に度々寄せられていると聞いております。改正法の目的であります望まない受動喫煙をなくすためには、今後さらに法規制内容の周知徹底を図るなど、受動喫煙防止対策を推進すべきと考えます。

 そこで伺います。改正健康増進法の全面施行後、受動喫煙防止対策の現状及び今後の取組はどうか。

 次に、まん延防止等重点措置について伺います。

 昨年4月7日に国内で初めての新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が発出されてから、感染者数は増減を繰り返してきましたが、いまだ決定的に有効な対策が打てないまま、既に1年が経過しております。この間、本県においても、昨年4月からの緊急事態宣言で緊急事態措置を実施すべき区域となったのをはじめ、本年1月7日の緊急事態宣言からは、数度の期間延長を経て、3月21日まで緊急事態措置が続きました。また、1か月を置いて、本年4月には、改めて緊急事態宣言が発出されており、本県においては、緊急事態措置を実施すべき区域とはなりませんでしたが、本県内の新規感染者数は下げ切ることができずに、4月20日にはまん延防止等重点措置の適用を受けることとなりました。

 当初、まん延防止等重点措置は、東葛地域の5市となっておりましたが、4月28日からは対象地域を千葉市を含む12市に拡大し、飲食店の営業時間を制限し、酒類の提供を禁止するなど、厳しい要請が続いてきたところであります。この6月21日には、まん延防止等重点措置は対象市を変更し、7月11日まで延長され、いまだ県民生活にとって、厳しい状況が続いているところであります。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、県は基本的対処方針を踏まえ、まん延防止等重点措置区域の飲食店に対して、営業時間の短縮などの要請をしてきており、飲食店にとっては大変厳しい状況が続いております。措置区域では多くの飲食店の方々が、経営が極めて苦しい中でも、感染拡大防止のため、この要請に応じられています。しかし、一部の飲食店においては、時短要請に応じず、酒類も提供しながら営業している店があるようであり、他のほとんどの店が閉まっている中で、多くの客でにぎわっているところもあると聞いております。県の要請に協力していただいている飲食店にとって、これでは不公平であり、感染防止対策の徹底のためには厳しい対応が必要だと思います。

 新型インフルエンザ等対策特別措置法には、命令などについて定められていると思いますが、そのような厳しい対応を行うことで、ルールを守っていただくことも行っていくべきと考えます。

 そこで3点伺います。

 1点目として、飲食店に対する時短要請等を遵守させるための手続はどのようになっているのか。

 2点目として、遵守させるために、県はどのような対応を行ってきたのか。

 3点目として、個別の協力要請や命令はどのような場合に行うのか。また、命令などの実績はあるのか。

 次に、ファーウェイについて伺います。

 県が企業誘致を行う目的の一つは、雇用の創出を行い、地域経済の活性化を図ることであり、重要な施策の一つと考えております。しかし、どのような企業でも誘致をしていけばよいというわけでもありません。現在、経済分野を含む様々な領域で米中の対立が続いている中、我が国においても経済安全保障は重要な課題となっています。先日閉会した国会においても、土地の利用規制として、外国資本の重要施設等周辺での不動産取引に対する規制を行う土地利用規制法が成立したところであります。

 このような中、県においても安全保障の観点に立ったしっかりとした施策を進める必要があります。ファーウェイはアメリカ政府をはじめ、幾つかの国で同社の製品の調達が禁止されるなど、他国においては安全保障上、問題視されている企業であります。私は、これまでも安全保障上の問題を抱える企業に対しては慎重に対応すべきとの考えから、県のファーウェイへの対応について質問してきたところであり、昨年度は令和元年度に提出された事業状況に基づく調査と、企業立地の目的の一つでもあります雇用がきちんと確保されているかについて質問いたしました。ファーウェイを監視する上でも、県の現地確認がきちんと行われているのか、このことは常に注視していかなければなりません。そこで、今回も同様に、立地の目的は達成されているのか確認をいたします。

 そこで質問いたします。ファーウェイについて、令和2年度の事業状況報告に対する実地確認の内容はどうか。このうち、雇用の状況と雇用者の国籍はどうなっているか。

 次に、千葉県男女共同参画計画について伺います。

 県においては、男女が互いの個性と能力を十分に発揮し、一人一人が活躍することができる社会の実現を目指して、千葉県男女共同参画計画に基づき、いわゆるワーク・ライフ・バランスの普及促進、子育て、介護への支援など、男女共同参画に関する各種施策に取り組んでこられたと承知をしております。毎年6月23日から本日29日までの1週間は男女共同参画週間とされ、県では、この週間を中心に、男女共同参画についての意識の高揚を図るため、パネル展やシンポジウム等を実施しております。本年3月末には、今後5年間を計画期間とする第5次の計画が新たに策定されました。本計画は、男女共同参画社会基本法に基づき、令和2年12月に国が策定した第5次の基本計画を踏まえるとともに、少子高齢化の急速な進展や生産年齢人口の減少などの社会経済情勢の変化や、激甚化する自然災害など、千葉県における新たな課題等にも対応するよう策定されています。今後は、計画に基づいて着実に推進していくことが重要であり、さらには、時々刻々と変化していく社会経済情勢に的確に対応していくことも必要であると考えます。

 そこで伺います。計画に基づいて、どのように施策を進めていくのか。

 次に、LGBTについて伺います。

 いわゆるLGBTの方々が日々の暮らしを営む上での苦悩を理解し、尊重することは大切なことであります。その一方、世界各地で起きている混乱については、研究すべき事例として十二分に認識しておく必要があります。県としても公共の利益を増進する観点で施策を進めていると思います。

 そこで伺います。LGBTについて、現在どのような施策を展開しているのか。

 次に、教科書採択について伺います。

 教科書は学校でも家庭でも、児童生徒がふだんから何気なく用いています。しかしながら、我が国の未来を切り開く教育の基本を示した教育基本法にある目標を達成するための主たる教材であります。したがって、どのような教科書を使って学習するかは、我が国の未来を担う子供たちにとって極めて重要なことであります。教科書採択は市町村立の義務教育諸学校については、各市町村教育委員会が採択権者として行いますが、その際、県教育委員会が行う指導、助言、または援助により、種目ごとに1種の教科書を採択いたします。この際、県教育委員会が採択の対象となる教科について調査研究し、選定理由書を作成し、それを採択権者に送付することにより助言することになっています。

 こうした事務作業を経て、小学校は一昨年度、中学は昨年度に新しい学習指導要領に基づく教科書が全教科で採択され、既に使用が開始され、法令により4年間同一の教科書を使うことになっています。したがって、本来ですと、本年度は小中学校ともに昨年度と同一の教科書を採択することとなります。ところが、令和2年度の教科書検定を経て、中学校用社会歴史的分野において、自由社の教科書が新たに発行されることとなったため、今年度の教科書採択では、中学校歴史教科書については、例外的に採択替えが可能になったと聞いております。国の教科書検定に合格した教科書が加わったわけでありますから、新たに発行される教科書も含め、よりよい教科書を採択し、正しい内容を指導することは、教育委員会の責務だと言えます。

 現在、教科書採択については、静ひつな環境の下、進行中であると思いますが、全ての市町村教育委員会で教科書の採択に関する公平性が担保され、また、県民の皆さんが納得できる採択事務が行われることが望まれます。本年3月30日、文部科学省から県教委に出された通知を読むと、採択区の教育委員会の中には、採択替えの事務自体を進めなくても問題がないと考えるおそれもあり、危惧しておりましたが、昨日開かれた千葉市教育委員会会議においては、令和4年度使用義務教育諸学校用の新たに教科書目録に登載された教科用図書の採択方針についてという議案が可決されました。このことは、千葉市教育委員会は採択替えの事務を進めることを意味しますので、適切に事務を進めていただきたいと念ずるばかりであります。そして、他の採択区の教育委員会も同様に進めていただくことを切望しております。

 そこで伺います。今年度の教科書採択について、県教育委員会は市町村教育委員会に対し、どのように指導助言をしているのか。

 県教育委員会は、これまでも教科書の使用については各学校に丁寧に指導されてきました。子供たちに誤解を招くおそれのある記述については、生徒に混乱が生じないよう、当該教科書を使用する学校にその指導方法を確認するなどの配慮もいただいております。しかしながら、いまだ国の検定を通った教科書の中にも、従軍慰安婦とか強制連行とか、あたかも意に反するかのような誤解を生む表現が残っていることも事実であり、残念でなりません。

 去る4月27日に、政府により、ある閣議決定がされました。それは、従軍慰安婦等の表現に関する質問主意書及び強制連行、強制労働という表現に関する質問主意書に対し、我が国のたどってきた道を、正しい言葉で正しく理解することができる答弁書が決定されたものと認識しております。このことは極めて重要なことであり、子供に歴史の事実を教えていく立場の県教育委員会には、答弁書についての所見、見解を問いたいところでありますが、答える立場にないとの答弁は容易に推察いたしますので、本日この場におきましては、この答弁書の内容を理解しているか確認したいと思います。

 そこで伺います。県教育委員会として、従軍慰安婦及び強制連行に関する答弁書を理解しているかを確認する意味でお尋ねしますが、4月27日に閣議決定された答弁書の内容はどのようなものか。

 令和3年6月22日にオンラインで開かれた国連人権理事会では、日本や米国、欧州など40か国超が、ウイグル人が今置かれている極めて重大な人権の状況について、深刻な懸念を抱いているとの共同声明が発表されたということであります。一方で、中国側は声明を代表して読み上げたカナダの人権侵害を調査すべきと訴えたとのことであります。いわゆるグローバル化が進む中、民族や宗教に関する諸課題を取り上げ考察することで、他国を尊重し、国際社会の平和と発展等に貢献し、未来を開く主体性のある日本人の育成を、そして世界で人権が脅かされている方々のヒューマンライツに思いを致すことができる日本人の育成を、千葉県が率先して行うことも大切なことだと思います。

 そこで伺います。ウイグル問題について、教科書に記述することの意義をどのように考えているか。

 次に、知事の靖国神社参拝について伺います。

 東西線車内のみたままつりの中づり広告を見ては、東京のお盆の時期だなと、例年、季節を感じておりました。境内に数多くの献灯──みあかしと読むようなんですが、献灯を掲げて、戦没者の御霊を慰める夏祭りは、今年も来月13日から始まります。期末テストも終わった高校生や勤めを終えられた方々、この夏、浴衣に初めて袖を通す若い方々で、例年夜までにぎわうみたままつりも、感染拡大防止の措置が講じられています。8月15日、森田健作前知事が参拝する姿を遠くに見て黙礼を交わすことが、いつしか常となりました。2月議会は前知事の最後の議会でありましたので、私は一般質問において、その思いを尋ねました。その思いは実に大切なことだなと感じ入っておりました。

 そこで伺います。8月15日に知事は靖国神社に参拝する考えはあるのか。

 以上、1回目の質問といたします。明確で前向きな答弁をお願いいたします。(拍手)

 

 

◯議長(山中 操君) 中村実君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事熊谷俊人君。

    (知事熊谷俊人君登壇)

 

 

◯知事(熊谷俊人君) 自民党の中村実議員の御質問にお答えいたします。

 まず、受動喫煙についてお答えいたします。

 受動喫煙防止対策の現状及び今後の取組に関する御質問ですが、県では、昨年4月の改正健康増進法の全面施行を「県民だより」やホームページなどにより、法による新たな規制内容を周知するとともに、本年3月には県内の飲食店約1万700店に対し個別に通知を発出し、適切な受動喫煙防止対策の実施を促したところです。また、昨年4月から本年5月までの間、施設の管理者などからの問合せ約1,650件に対応するとともに、県民からの通報約290件について、施設の管理者に対し、法令違反があれば速やかに改善するよう指導助言を行っております。これまでのところ、指導助言の範囲を超え、法に規定する勧告、命令等の措置を適用するような悪質な事案は確認されておりませんが、一人一人の県民が望まない受動喫煙に遭わないよう、今後とも法の趣旨を踏まえた取組を着実に進めてまいります。

 次に、靖国神社参拝についてお答えいたします。

 我が国の今日の平和と発展は、戦没者の貴い犠牲と困難を乗り越えてこられた御遺族の方々の御労苦の上に成り立っており、こうしたことに思いを寄せることは極めて重要であると考えております。私は8月15日に靖国神社を参拝する考えはありませんが、戦没者の方々と御遺族の方々に対して哀悼の意を表するとともに、二度とあのような戦禍を招かないよう恒久平和を願う思いで、これまでも千葉県忠霊塔において拝礼をしております。今後も戦没者の慰霊と恒久平和への祈りを欠かさず行ってまいります。

 私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えいたします。

 

 

◯議長(山中 操君) 総合企画部長鎌形悦弘君。

    (説明者鎌形悦弘君登壇)

 

 

◯説明者(鎌形悦弘君) 私からは千葉県男女共同参画計画の施策推進に関する御質問についてお答えいたします。

 計画に掲げた施策を着実に推進するためには、各部局が連携して取り組む必要があることから、県では千葉県男女共同参画推進本部を設置し、意識の醸成や課題の共有を図りながら取り組んでいるところです。また、毎年度、施策の実施状況や数値目標等の達成度について自己評価を行うとともに、外部有識者からの意見も伺い、取組の改善に努めています。今後とも社会情勢の変化を的確に捉え、男女共同参画の推進に取り組んでまいります。

 以上でございます。

 

 

◯議長(山中 操君) 健康福祉部長加瀬博夫君。

    (説明者加瀬博夫君登壇)

 

 

◯説明者(加瀬博夫君) 私からはまん延防止等重点措置についての1問とLGBTについての1問、計2問につきましてお答えをいたします。

 まず初めに、まん延防止等重点措置について、営業時間の短縮要請等の手続に関する御質問ですが、新型インフルエンザ等対策特別措置法及び基本的対処方針等におきましては、まん延防止等重点措置下において、まずは感染リスクが高いとされている業態の事業者に対して、営業時間短縮等の要請等を行うものとされております。また、要請内容の遵守を徹底するために、実地に働きかけを行うこととされており、要請に応じない個別の事業者に対しては、専門家の意見聴取や事前通知を行った上で、要請を再度行うこととされております。その後も正当な理由がなく要請に従わない場合であって、感染症の蔓延を防止するために特に必要のあるときに限り、専門家の意見聴取及び事前通知のほか、弁明の機会を付与した上で同法に基づく命令を行い、その上で行政秩序上看過できないと判断される場合には、過料を科すよう裁判所に通知することとされております。

 次に、LGBTに関する施策についての御質問です。LGBTの方々は、性的指向や性自認の多様性に対する偏見や誤った認識に基づく差別などにより、様々な悩みを抱えているものと認識をしております。このため、県では県民がLGBTの方々について理解を深めることができるよう、講演会の開催、啓発冊子の作成及びDVDの貸出しを行うとともに、企業や学校等に対する講師の派遣や人権啓発の指導的立場にある方を対象とした研修の実施など、様々な啓発施策に取り組んでいるところでございます。今後とも一人一人がかけがえのない存在として、お互いに尊重し合う差別のない社会を目指して人権施策を推進してまいります。

 以上でございます。

 

 

◯議長(山中 操君) 環境生活部長吉野美砂子さん。

    (説明者吉野美砂子君登壇)

 

 

◯説明者(吉野美砂子君) 私からは大気汚染防止法の改正による石綿、いわゆるアスベスト対策の規制強化の御質問にお答えします。

 石綿については、従来、飛散性が高い吹きつけ石綿などに係る解体工事等が規制対象とされ、作業基準の遵守などが求められていましたが、本年4月に石綿含有スレート等が規制対象に追加され、作業基準が設けられるとともに、全ての石綿含有建材について新たに作業計画の作成、作業結果の記録、保存等が義務づけられました。県では、改正内容や作業上の留意事項について、解体工事業者や発注者向けの説明会を開催して周知するとともに、リーフレットを作成し、建設業団体等を通じて周知徹底を図っています。また、新たに県の立入検査の対象に石綿含有スレートなどの解体工事等を加え、作業基準の遵守状況等を確認するなど、石綿飛散防止対策が確実に実施されるよう指導してまいります。

 以上でございます。

 

 

◯議長(山中 操君) 商工労働部長高橋俊之君。

    (説明者高橋俊之君登壇)

 

 

◯説明者(高橋俊之君) 私からはまん延防止等重点措置区域における飲食店への要請についての2問とファーウェイ社についてお答えいたします。

 まず、飲食店への要請の遵守のための対応についての御質問ですが、6月20日までの要請に関しましては、まん延防止等重点措置区域において飲食店の営業許可を受けている約2万4,000店を対象に、実地の働きかけとして各飲食店を個別に訪問し、アクリル板の設置、手指消毒の徹底などの感染防止対策や営業時間の短縮、酒類の提供を行わないなどについて確認を行ってきたところでございます。また、この間、要請が守られていないという情報が270件寄せられておりまして、これらにつきましても随時現地確認を行っております。感染防止対策や要請への対応が十分でない店舗等に対しては、その後も繰り返し訪問指導を行っており、多くの店舗では改善が見られるところでございます。

 次に、飲食店への個別の協力要請や命令に関する御質問ですが、県の要請に応じていないことが確認できた飲食店が繰り返しの指導にも従わない場合には、事前通知を行った上で、個別に協力要請を行うこととしており、直近では6月18日に39店に対して要請したところでございます。また、これまで命令にまで至った事例はございませんが、今後も県の要請に応じていただけるよう丁寧に指導を行いますとともに、必要な場合には法令に基づき手続を進めてまいります。

 次に、立地補助金対象企業であるファーウェイ社に対する実地確認についての御質問です。県内への立地に際し、立地補助金を交付した企業においては、毎年、操業状況の報告をいただき、必要に応じて現地にも出向いて実態を確認しております。ファーウェイについては、昨年に引き続き船橋市の研究所に出向いて操業の状況や雇用人数などの報告内容を確認したところです。同施設の従業員数は62名で、昨年より12名増加しています。また、県内在住者は47名で、8名増加しているところでございます。なお、従業員の中には中国、韓国、シンガポール、台湾などの外国籍の方もいらっしゃると聞いております。

 私からは以上でございます。

 

 

◯議長(山中 操君) 教育長冨塚昌子さん。

    (説明者冨塚昌子君登壇)

 

 

◯説明者(冨塚昌子君) 私からは教科書採択についての3問にお答えいたします。

 初めに、教科書採択に係る指導助言についての御質問ですが、県教育委員会では、小中学校の教科書採択について、法令や国からの通知を踏まえ、千葉県教科用図書選定審議会の意見を聞いた上で、採択権者である市町村教育委員会等に対し教科書の調査研究の結果を送付するなど、指導助言を行っているところです。また、今年度は令和2年度に文部科学大臣の検定を経て新たに発行されることとなった中学校の歴史の教科書があることから、その扱いについて、採択替えを行うか否かについては採択権者の判断によるべきものであること、その際、県教育委員会による調査研究の結果のほか、令和2年度における採択の理由等を踏まえて判断することも考えられること等、国からの通知に基づき周知しています。

 次に、閣議決定された答弁書についての御質問ですが、従軍慰安婦等の表現に関する答弁書については、「従軍慰安婦」という用語を用いることは誤解を招くおそれがあることから、「従軍慰安婦」または「いわゆる従軍慰安婦」ではなく、単に「慰安婦」という用語を用いることが適切であること、「従軍」と「慰安婦」の用語を組み合わせて用いるなど、同様の誤解を招き得る表現についても使用していないところであること、また、強制連行、強制労働という表現に関する答弁書については、旧国家総動員法等により徴用された労働者については、「強制連行」または「連行」ではなく「徴用」を用いることが適切であること、徴用等による労務については、強制労働に関する条約上の強制労働には該当せず、「強制労働」と表現することは、適切ではないこととの見解が示されたと承知しています。

 最後に、教科書におけるウイグルに関する記述についての御質問ですが、学習指導要領において、中学校の社会では、民族や宗教をめぐる対立を扱うこと、高校の地理歴史では、世界の民族、宗教に関する諸事象を取り上げることなどとされています。これらを踏まえ、ウイグルに関する事象を取り上げた教科書があると認識しています。

 以上でございます。

 

 

◯議長(山中 操君) 中村実君。

 

 

◯中村 実君 知事及び執行部には御答弁ありがとうございました。それでは、何点か再質問いたします。

 要請に従わない飲食店に対し、繰り返し指導を行う、命令にまで至った事例はないとのことですが、真面目に要請を遵守している飲食店からは、要請に応じていない飲食店があるのは不公平であり、命令を出してほしいという切実な声が聞かれます。私もそうすべきと思います。

 そこで伺います。命令を出してほしいという遵守している飲食店の声をどう考えるか。

 次に、ファーウェイについて再質問します。実地確認によれば、同施設の従業員には少なからず外国人もいるとのことであります。企業誘致により雇用の創出や地域経済の活性化が図られることとなりますが、進出した企業が主に地域住民を雇用しなければ、補助金の目的が十分に果たされていると言えるのか疑問が残ります。

 そこで伺います。立地企業補助金は雇用の拡大を目的としていると思うが、その要件として雇用者の国籍や地域は問わないのか。

 教科書についてです。閣議決定された内容については、県教育委員会とも共通の認識であることが分かりました。答弁書において、従軍慰安婦や強制連行などといった言葉は、政府によって正式に適切でないとされたわけであります。私は、毎年教科書展示会に行って、発行されている教科書を見て回っていますが、こうした不適切な、そして生徒に誤解を及ぼすような記述のある教科書が幾つも見受けられ、不安を覚えておりました。

 そこで伺います。従軍慰安婦及び強制連行の記述のある教科書は、科目を問わず、どれだけあるのか。県内でこれらの教科書の中学校及び高校における採択状況はどうか。また、今後高校で採択予定である検定済教科書は何件あるのか。

 さらに、こうした教科書を実際に使っている学校では、その教科書を基に、教員が誤りを子供に教えてしまったり、自主学習で生徒が認識を誤ってしまうことが心配です。こういった事態を防ぎ正しい教育を実現することは県教育委員会の責務だと思います。県教育委員会自身がこの問題を重く受け止め、不適切な表現のある教科書の使用はしないよう、各市町村教育委員会や県立学校に対して教育委員会の考えを示すべきと考えます。

 そこで伺います。

 1点目として、従軍慰安婦等の記述のある教科書を使用している学校に対して、閣議決定の趣旨を伝えるべきと考えるが、どうか。また、授業内容を点検すべきと考えるが、どうか。

 2点目として、従軍慰安婦等の記述のある教科書について、閣議決定の内容と照らし合わせてどう考えるか。また、その考えを調査資料に明記するのか。

 次に、知事の靖国神社参拝についてでありますが、知事の考えはよく分かりました。今年の8月15日は日曜日、知事として628万県民を代表して参拝することは、誠に誠に意義深いことであり、靖国神社でお会いできるかとも思いましたが、それぞれの心の持ちようである以上、それぞれの過ごし方となりましょう。

 以上で2回目といたします。

 

 

◯議長(山中 操君) 商工労働部長高橋俊之君。

 

 

◯説明者(高橋俊之君) 要請に応じていない飲食店に対する命令についての御質問でございます。感染拡大の防止を徹底する意味では、全ての飲食店に協力していただくことが不可欠でございます。県としては、要請に応じていない飲食店に対しましては、要請に応じていただくよう繰り返し丁寧な説明を行うこととしており、それでも応じない店舗に対しては必要な手続を図ってまいります。

 また、立地企業補助金として雇用者の国籍や地域は問わないのかとの御質問です。企業の立地に伴いまして、一般的に地元への雇用創出が期待されるところでございますが、このほかにも外国人の雇用や他の地域からの移住などによりましても、地域経済の活性化に資する場合が考えられますことから、雇用者の国籍や地域は要件としていないところでございます。

 私からは以上でございます。

 

 

◯議長(山中 操君) 教育長冨塚昌子さん。

 

 

◯説明者(冨塚昌子君) 教科書採択に関する御質問ですが、最初の御質問が従軍慰安婦及び強制連行の記述のある教科書の数と中学、高校での採択状況についてでございました。まず、こちらからお答えいたします。

 県教育委員会で確認した状況を申し上げます。まず、従軍慰安婦等の記述のある教科書は、中学校社会で1点、高校の地理歴史及び公民において、現行の学習指導要領の教科書が7点、新学習指導要領が4点ございます。採択状況ですが、中学校では公立での採択はなく、私立では3校が使用していると承知しています。高校では公立で75校、私立で49校が使用していると承知しています。また、強制連行等の記述のある教科書は、中学校社会で1点、高校の地理歴史及び公民において現行学習指導要領の教科書が27点、新学習指導要領が8点ございます。中学校では公立での採択はなく、私立では1校が使用していると承知しています。高校では公立で126校、私立では58校が使用していると承知しています。高校では、今年度は新旧学習指導要領に基づく教科書が採択の対象となりますが、新学習指導要領に基づく教科書は、従軍慰安婦等で歴史総合の4点、強制連行等で歴史総合の8点となります。

 次に、今回の閣議決定の内容に関しまして2問ございました。

 初めに、閣議決定の学校への周知と授業内容の点検についての御質問ですが、文部科学省に確認したところ、今回の閣議決定を受け、教科書発行者の判断により、国へ教科書の記述の訂正申請が行われた場合、国においては、審議会での議論を踏まえて訂正の承認を行うかどうかを判断すると伺っています。県教育委員会では、教科書の訂正内容及び閣議決定の内容について関係校に周知するとともに、適切に授業を行うよう指導してまいります。

 最後に、従軍慰安婦等の記述のある教科書について、閣議決定に照らしてどうか等の御質問ですが、国の教科書検定基準においては、閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解に基づいた記述がされていることと定められています。従軍慰安婦等の記述は今回の閣議決定の内容とは異なることから、県教育委員会としては、教科書発行者からの訂正の連絡を踏まえて、関係校に通知するなど適切に対応したいと考えています。

 以上でございます。

 

 

◯議長(山中 操君) 中村実君。

 

 

◯中村 実君 御答弁ありがとうございました。ファーウェイについて、立地企業補助金の運用を行っていく上で、国の安全保障上懸念が生じることがあってはならないことであると考えております。また、貴重な県の予算を使用して地域住民の雇用につながらないようであれば、県民の理解は得られません。立地企業補助金の運用に際しては、国の安全保障にも留意いただくとともに、地域住民の雇用につながるよう運用することを要望します。

 教科書採択について、我が国の未来を担う子供が歴史の事実を理解して健全に成長していくことは何よりも重要なことです。閣議決定された内容を尊重して、県教育委員会は市町村教育委員会に対して調査資料を送付しているものと思料されます。市町村教委や県立学校に対しては、しっかりと……

 

 

◯議長(山中 操君) 申合せの時間が経過しましたので、簡明に願います。

 

 

◯中村 実君(続) はい。以上で私の質問を終わります。

 

 

◯議長(山中 操君) 暫時休憩いたします。

        午前11時32分休憩

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